ギトンの秘密部屋だぞぉ

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生きているスコット

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Sonata di Scarlatti e sonatina di Kuhulau - YouTube
Sonata di Scarlatti e sonatina di Kuhlau(↑タイトルの綴り字は間違えw)
by alessiettamusicista
スカルラッティソナタとクーラウのソナチネ

スカルラッティ
といえば‥
ピアノを習った(または、習わされた?w‥)ことのある人には覚えがあるはず。。

たのしい(または、ユウウツな)ソナチネ教則本に出ていた作曲者の名前‥

ベートーベンやモーツァルトの曲を弾きたいのに、なんでこんなつまらない曲を弾かなきゃならないの??‥‥と憂鬱になった思い出のある人も多いはず‥

ちなみに、↑このひと‥‥ギトンと同じくらい上手ですw…同じくらい間違えるし、同じくらいテンポが乱れますネ‥(><)


この・ピアノ教則本にしか出てこなかったバロック末期の不遇な作曲家の作品を
一躍、バッハ、ヴィヴァルディと並ぶほどの名曲として甦えらせたのは
アメリカ生まれのチェンバロ奏者
スコット・ロスでした。。

たとえば、↓この子が弾いてるスカルラッティソナチネ
Clint plays Sonatina K1, L 366 by Scarlatti - YouTube

↓こちらがスコットの演奏です

Domenico Scarlatti - Sonata per clavicembalo, K. 1 (Re minore) - YouTube
Domenico Scarlatti (Napoli,1685 - Madrid,1757)
Clavicembalo: Scott Ross
スカルラッティソナタニ短調』K1.
スコット・ロス(チェンバロ)

↓こちらの・両手が交差するソナチネも、
得意になって弾いた人が多いはず‥
Sonatina Kp.27 by Domenico Scarlatti - YouTube
Hao's performance at Mr. Fan's studio

↓スコットが演奏すると、こーなります

YouTube
スカルラッティソナタロ短調』K27.スコット・ロス(チェンバロ)


スコット・ロス(Scott Stonebreaker Ross, 1951 - 1989)は、5歳のときに父を失い、13歳で母や兄と離れてフランスのニース音楽院に入れられました。1969年パリ国立高等音楽院に進んだ翌年には、母が自殺。
1971年、ベルギーのブリュッヘで開催された国際チェンバロコンクールに、長髪にジーンズという古典音楽には“ありえないw”異例の風体で参加し、バッハの平均律をソラで弾いて、審査員に「彼が作曲したのかと思った」と言わせたのは有名な話‥‥仰天する聴衆を前にして、みごとに優勝しましたが‥じつは二度目の挑戦でした。。
その後、カナダとフランスで活動しますが、

スコットを最も有名にしたのは、ドメニコ・スカルラッティの555曲の鍵盤楽器のためのソナタを、世界で初めて全集録音したことでした(1984-85年)。大部分の曲は初めて弾くものであったため、狂人のように勉強しなければならなかったといいますが、その演奏の完成度はきわめて高いと評価されました。
高度な技巧を持ちながら奇をてらわず、音楽の本質に迫ろうとする端正な演奏に特徴があります。
スコット・ロス - Wikipedia

しかし、この1985年ころ、エイズに罹患していることを知り、
1989年、南フランスのモンペリエで他界しました。38歳でした。

生前、バッハの全集も構想していましたが、病気の進行には勝てず遂に実現しなかったといいます‥‥



Alessandro Scarlatti: Toccata for harpsichord in G minor - YouTube
Alessandro Scarlatti: Toccata per cembalo in G minor
↑こちらは、
ドメニコ・スカルラッティの父・アレッサンドロ・スカルラッティの『トッカータト短調