抱擁する夕暮れの雲? Rauchwolken im Abendrot
都会が休みに入ったせいか、ここ数日は夕陽の色づきが良い。
きょうは煙のような雲を紅く染めて…… 極寒の冷気が、まるで暖かな母の胸のように街を覆っていました。
ここ数日と比べると、たしかにきょうは気温が高いんですが。。。
高校生の時から、ぼくには、どうしても気になってしょうがない同級生が一人いたんですね。卒業後は、ほかの級友の邪魔が入らなくなったのをいいことに、ぼくは自分の進路をずらしてまで、彼の近くにいられるようにして‥ 近くにいれば、もともと気の合うところは多いから、自然と親友のように…、ふたりでいる時間が多くなりました。
とはいっても、その子はもちろんノンケで、…そのうち彼女ができて、…彼女と同棲して、…結婚して、…というお決まりのパターン。
ところが、ぼくらの関係がふつうじゃなかったのは、それから何年もたって、ある場所‥‥「は」のつく場所‥‥で、ばったり出会ってしまうんです。そういう場所ですから、会った瞬間からふたりとも全裸。そういえば、彼とぼくは、それまで 10年以上のつきあいの中で、いっしょにお風呂に入ったこともありませんでした。
この千載一遇を逃すまいと、ぼくも思いましたが、やっぱり彼のほうが、こういうチャンスをものにするのは上手(うわて)というか。。 その彼にリードされるようにして、しばらく逡巡ののちに合体! はじまってしまえば、今度はぼくのほうが、同性と「やる」テクニックは心得ていたらしく、堅い板敷きの上で、つもりつもった“十年の恋”が燃え上がる。まず彼が、次にぼくが、“いくところ”までは、いったのですが、‥
さて、どうやってまた会おうか、連絡先は分かってるんだけど。。。 と、毎日の忙しさにかまけていると、
それからあっというまに、彼は不慮の事故で亡くなってしまいました。悲しいというよりも、‥ただただ放心するほかはありませんでした、しばらくのあいだは‥
ぼくは振り回されっぱなしだったんでしょうかねえ? 彼に、というよりも、運命やら何やらに‥‥?
そういうことがあったので、先日の「長さ」の話題でも、ぼくは、カップルの続く「長さ」って、いったいいつからいつまでなんだ? などと理屈っぽいことにこだわったわけです。彼とぼくの場合など、出会って、じっと見つめ合った時から測れば、10年を軽く超えてますが、ベッドインを起点にすれば1時間もないですからねえ。。。。
彼のことは、けっして忘れないけれど、そのことが、ほかの人と愛し合う障碍にはならないと思っています。むしろ逆でしょう。ただ、そんなことを、偉そうに他人に向かって吹聴したくもない。だから、こんな場所に書き込むだけです。今となっては、この広い世界で、ぼくひとりしか知らない“消えゆくエピソード”なので。。。
きのうのエビがアルゼンチン。ウナギといっしょに買ってきておいたアルゼンチンのエビで、今夜はエビチリなんぞ作ろうかと。。 大西洋の海産物って、知らない名前のサカナとか多いんだけど、買って来て適当に料理すると、けっこううまいです。同居人にも評判がいい。さて、ひと仕事。。。