ギトンの秘密部屋だぞぉ

創作小説/日記/過去記事はクラシック音楽

乱れがちのお出ましだったり‥

今週のお題「春になれば」




おひさしぶりです!!

春さきにドカ雪があったんで‥いや、青森あたりはまだこれから降るそうで、まだまだつづきますが‥

そのドカ雪のせいで、春の妖精のお出ましも、今年はおそいようです‥

今週末あたりでしょうかね? 早咲きにお目にかかれるのは。。。
Yoshida Brothers - Storm - YouTube
吉田兄弟──Storm
Track from 2003's CD: Yoshida Brothers & Track from 2008's CD: Best of Yoshida Brothers
5:15

しかし、うかうかしてると逃すんですよね〜(笑)

行きちがいって、よくあることなんで、

このあいだは、誕生日にすごいメールもらっちゃって‥ それがタイプの人だったから、もう少しで告白調の返事をしそうになったり←

その人、うまいんですよね〜 かんじんなとこは、・・・“ずっと付き合うんだ 一生友達なんだ”みたいにぼかしてあってさ(笑)

で、どー答えていいやら、困ってしまったから、うまく言えないからって書いて、花の写真を沢山送ったんだけど‥ オシベがどさって出てるやつをさ‥

‥‥通じなかったみたいだね〜←

ちょっと忙しくなってる間に、連絡が取れなくなってしまった‥



それで、最近は、その人が褒めてくれたマウンテンジャケットを、街んなかで毎日着てたり‥

その下にスーツだと、もう暑いんだけど、毎日着てたり‥


というわけで、ちょっとやぶれかぶれな春の出だしであります……



新年のごあいさつを申し上げますっ(^.^)ノ


開けまして ‥‥‥ おめでたう
ござりまする
m(_ _)m






あ彡 お風呂から上がったばっかりで‥しつれいしますた‥‥///.^)/

さて。。。w
としの初めにふさわしいのは ↓↓↓やはるり この曲でせう!!!

Guillou plays Mussorgsky Pictures at an exhibition (experts) - YouTube
Guillou plays in his transcription of 'Promenade' & 'Gnom' from Modest Mussorgsky's "Pictures at an Exhibition" in St. Eustache
ムソルグスキー組曲展覧会の絵』から
「プロムナード〜こびと」
ジャン・ギルー(オルガン、編曲)
サン・ユスタシュ教会
グノームを足で弾き始めるのがいいwwww

ELP Pictures At An Exhibition '71 3/4 - YouTube
live concert of ELP in 1971 performing "Pictures At An Exhibition" of Modest Mussorgsky.
Keith Emmerson - keyboard
Greg Lake -Bass, guitar, vocals
Carl Palmer - drums/percussion
エマーソン・レイク&パーマー(ELP)『展覧会の絵
キース・エマーソン(キーボード)
グレッグ・レイク(ベース、ギター、ヴォーカル)
カール・パーマー(ドラムス、パーカッション)
1971年ライヴ


ELP Pictures At An Exhibition '71 2\ 4 - YouTube
ELP『展覧会の絵』から
「ザ・セイジ」
グレッグ・レイク(ギター、ヴォーカル)
1971年ライヴ

年明け早々からムソルグスキーか!!‥‥なんて言わないでくださいねw ギトンはこれが好きなんですから


↓↓これもヴァージョンがいろいろあるんですよねえ。。。
いちばんポピュラーなのがリムスキー=コルサコフ編曲版。たいていのオーケストラ演奏は、これです──つまり、耳が馴れてるw
ほかに、ディズニー映画『ファンタジー』に使われたストコフスキー編曲版。たしかにメルヘンチックにまとまってます。
あと、ムソルグスキーのオリジナル版もあって、最近はオリジナル版に挑戦する指揮者も増えましたが‥とにかく一度聴いてみると凄さがわかります‥頭痛がするかもwwww さらに、オリジナル版で合唱のついたのもあるんですね…まさに魔女の集会って感じで…ちょっと、オトソ気分で聴く感じじゃありませんから、それはまたの機会にまわしてですね
今夜のところは、“ふつうの”(笑)リムスキー=コルサコフ版で…
指揮者も、あんまり派手でない演奏を選んで‥この人にしてみました:

Klaus-Tennstedt-禿山の一夜 - YouTube
ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編曲)『禿山の一夜』
指揮/クラウス・テンシュテット
演奏/ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
1983年録音


YouTube
Khovanshchina, Act IV: Entr'Acte (Arr. L. Stokowski)
BBC Philharmonic Orchestra, conductor: Matthias Bamert.
ムソルグスキー:歌劇『ホヴァンシチーナ』から
第4幕第2場「追放されるゴリーツィン公の旅立ち」
ストコフスキー編曲版)
BBC交響楽団
マティアス・バマート(指揮)


ここで、『展覧会の絵』に戻りまして
こんどはキッシンのピアノで、「キエフの大門」



Evgeny Kissin - Pictures At An Exhibition [4 of 4] - YouTube
展覧会の絵』から「キエフの大門」
エウゲニー・キッシン(ピアノ)

締めは『展覧会の絵』のフィナーレをオーケストラで。
本物の鐘も入って楽しい演奏です:

Mussorgsky: Pictures at an Exhibition / Gergiev · Berliner Philharmoniker - YouTube
Modest Mussorgsky: "The Great Gate of Kiev" from Pictures at an Exhibition (orch. Ravel) / Valery Gergiev, conductor · Berliner Philharmoniker / Recorded at the Berlin Philharmonie, 22 December 2010
キエフの大門(終結部)」(ラヴェル編曲)
ヴァレリーゲルギエフ(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
2010年録音
.

ある夕べ、スペインの町で


スペイン、カタルーニャ州 サバデイ市

午後6時、教会の夕べの鐘が鳴るころ、広場に腰掛けて憩う町の人々‥

なぜかコントラバスを弾くひとりの男‥

つぎつぎにやって来る楽器を抱えた男女‥‥

音を聞きつけて広場に集まってくる人々‥‥




なにが始まるのか?
カタルーニャ州バルセロナ県 サバデイ サン・ロック広場


こんばんは‥

。。。年末が近づいたので、こんやは“第9”を少し‥

Clockwork Orange
映画『時計仕掛けのオレンジ』より.
スタンリー・キューブリック監督
1971年.

60歳以下の方ならみなご存知の映画でしょう‥‥ちがう??

A Clockwork Orange - Intro [Old] - YouTube
『時計仕掛けのオレンジ』より メイン・テーマ:
「クイーン・メアリの葬送行進曲★」
演奏 ウェンディ・ウォルター・カルロス
原曲は、17世紀イギリスの作曲家ヘンリー・パーセルがメアリ2世(1688年,名誉革命で即位)の葬儀のために作曲した『メアリ女王の葬儀のための音楽』のうち「マーチ」。
ベートーヴェンの第9交響曲を聞くと残虐な攻撃衝動を発現する不良少年アレックス
暴力行為の限りをつくしたあげく、
仲間に裏切られて逮捕‥

司法当局は、彼をおあつらえ向きの実験台とみなし、
攻撃衝動を感じたとたん吐き気をもよおす犯罪不能人間に改造。。

ところが、その“改造教育”のBGMに使われたのが第9‥
第9を聞いただけで死ぬほどの苦しみを味わうトラウマを刷り込まれてしまいます‥

シャバに出たとたん、かつての仲間にリンチを受けて、逃げ込んだ屋敷が…
なんと、かつてアレックスが押し入って強姦と破壊の限りをつくした被害者宅‥‥しかも、政府の犯罪政策を批判する作家の家だった‥!!‥

作家は、第9の鳴り響く部屋に彼を監禁‥アレックスは窓から飛び降り自殺を図るが‥‥
病院で回復したアレックスは、今度は政府に利用され、第9を聞きながら内務大臣と握手しているところをテレビで放映される‥‥

この映画、ギトンはリバイバル上映館で見ましたが…

たしかに、第9の“歓喜の歌”は、アウシュビッツユダヤ人の“絶滅”にたずさわっていたナチスの将校も愛聴していたというし‥
じつはどこか悪魔的な要素がある音楽なのですよね‥??‥
‥‥だから、“歓喜の歌”を、世界は一家、人類はみな兄弟♪‥みたいな感じで、赤ん坊抱いた母親まで動員して幸せいっぱいに歌ってる日本の映像には…ギトンは超違和感を覚えてしまうのですよ。。。

時計仕掛けのオレンジ ベートーヴェン交響曲第9番 - YouTube
第4楽章から“歓喜の歌”(Remixヴァージョン)
演奏 ウェンディ・ウォルター・カルロス

最近の映画では、↓↓こんなのがありましたね?^^

Ludwig Van Beethoven Symphony No.9 ( Copying Beethoven) - YouTube
映画『コピーイング・ベートーヴェン』から

耳の聞こえないベートーヴェンのために、主人公(楽譜屋のアルバイトをしている女学生)が、オーケストラの間に座って、振りのタイミングを知らせています

ところで、この『第9』、
ギトンは、“歓喜の歌”よりも、第1楽章の最初が好きだったりします‥

↓↓古い演奏ですが、トスカニーニ指揮、NBC交響楽団(1952年)‥
こんな昔なのに、意外に快速で軽やかで‥おおげさな感じがぜんぜんしません‥
Arturo Toscanini - Beethoven : Symphony No. 9 in D Minor, Op. 125 ("Choral") 1st Movement - YouTube
Toscanini conducts the NBC Symphony Orchestra in his only studio recording of the Beethoven Ninth Symphony. Recorded in 1952.
ベートーヴェン交響曲 第9番』から
第1楽章 アレグロ・マ・ノン・トロッポ・ウン・ポコ・マイェストーソ(快速に、しかしあせらずに、やや壮大に)

第2楽章は、フィンランド出身サラステの最近の指揮で↓↓

[2/4] Beethoven: Symphony No.9 - YouTube
WDR Sinfonieorchester Köln - Kölner Philharmonie
conducted by: Jukka Pekka Saraste (Chefdirigent)
交響曲 第9番』から
第2楽章 モルト・ヴィヴァーチェ
ドイツ放送交響楽団
ユッカ=ペッカ・サラステ(指揮)

どうです? なかなかいいでしょ??
フィンランドの指揮者がいいのはシベリウスだけじゃないですね

第3楽章は‥‥古楽器の演奏を聞いてみましょう。第9ってこんなきれいな曲だっけ??↓↓

Beethoven Symphony No 9 3. Adagio molto e cantabile - YouTube
Frans Brüggen,
Orchestra of the 18th century
交響曲 第9番』
第3楽章 アダージオ・モルト・エ・カンタービレ
フランス・ブリュッヘン(指揮)
18世紀オーケストラ




第4楽章は、“歓喜の歌”が有名すぎて、‥アレンジはどれも似たり寄ったりで、これと思うものがないですね‥
ディープ・パープルもありますが‥‥いまいちそそられない‥

↓↓このヴァージョンは、ちょっといいです

Flashmob Peschiera del Garda - ufficiale - Inno alla Gioia Beethoven - YouTube
Flash mob Inno alla gioia di Beethoven ufficiale eseguito da 5 bande musicali a Peschiera del Garda (Verona) Italy il 1 giugno 2013.
歓喜の歌”(吹奏楽ヴァージョン)
ペスキエーラ・デル・ガルダ(イタリア、ヴェローナ県), 2013年6月.



↓↓今夜の締めくくりはディキシーで

Dixieland DixXband-The Ninth Symphony of Beethoven - YouTube
adapted to New-Orleans or Dixieland Jazz.
歓喜の歌”(ディキシーランド・ジャズ・ヴァージョン)
DixXバンド(リトアニア)

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吹雪くでしょうか‥


おはようございます!! さむいですねえ‥

きょうもカラッ風がびゅうびゅう吹くんでしょうか
北国では雪の予報です‥お出かけの方は、どうかお気をつけて‥‥
Jean Sibelius - Karelia Suite - Ballade (London Symphony Orchestra) - YouTube
シベリウス『カレリア組曲』から「バラード」
ロンドン交響楽団

この地方では吹雪はこんなに甘くあたたかくて
恋人のやうにみんなの胸を切なくいたします

雲もぎらぎらにちぢれ
木が幻照のなかから生えたつとき

翻へったり砕けたり或は全[まった]い空明を示したり
吹雪はかがやく流沙[るさ]のごとくに
地平はるかに移り行きます

それはあやしい火にさへなって
ひとびとの視官を眩惑いたします

或は燃えあがるボヘミヤの玻璃
すさまじき光と風との奏鳴者
〔…〕
旋[めぐ]る日脚に従って
(そらのフラスコ)四万アールの散乱質は
地平はるかに遷[うつ]り行きます

その風の脚
まばゆくまぶしい光のなかを

スキップといふかたちをなして
一[ひとつ]の影こなたへ来れば
いまや日は乱雲に落ち
そのヘりは烈しい鏡を示します
〔…〕

(宮沢賢治「映画劇『ベーリング鉄道』序詞」より)


Sibelius: The Wood-Nymph (Skogsrået) - Okko Kamu, Lahti Symphony Orchestra - YouTube
Sibelius Festival 2012
シベリウス『森の精』第3楽章
ラハティ交響楽団
オッコ・カム(指揮)
2012年シベリウス

いきなり一すじ
吹雪(フキ)が螺旋に舞ひあがり
続いて一すじまた立てば
いまはもう野はら一ぱい
あっちもこっちも
空気に孔があいたやう
巌稜も一斉に噴く
(「森林軌道」)

  ……どうしてあんなにひっきりなし
    凍った汽笛(フエ)を鳴らすのだ……
影や恐ろしいけむりのなかから
蒼ざめてひとがよろよろあらはれる

それは氷の未来圏から抛げられた
戦慄すべきおれの影だ

(「未来圏からの影」)
Sibelius: Symphony #5 in Eb Major, Op. 82 - III Allegro molto - YouTube
Sibelius: Symphony #5 in Eb Major, Op. 82 - III Allegro molto
the London Symphony Orchestra
1966, live.
シベリウス交響曲 第5番 変ホ長調』作品82
第3楽章 アレグロモルト
ロンドン交響楽団
レオナード・バーンスタイン(指揮)
1966年

水がその七いろの衣裳をかへて
ひとびとに誇ってゐるときに
  ……東邦風のあかるく喧澄な結婚式……
けむりはながれ
水脉[すいみゃく]はさびしい砒素鏡になる
(「水の結婚」)

そこにいくつもの雲の肖像画
  ……それはみな[]
    巨大な洪積人類の
    方向のない Libido★ である……
〔…〕
氷と藍との東橄欖[かんらん]山地から
つめたい風が吹いてきて
    (おまへはわたしを犯してもいい)
つぎからつぎとまことをちかひ
またあかしやの棘ある枝を鳴らしたり
すがれの禾草を顫[ふる]はせる
(「雲の肖像画」)
Libido(リビドー):フロイトによれば「性的衝動を発動させる力」。より一般的には、荒々しい性的欲望を指す。

〔…〕
腕を組み暗い貨物電車の壁による少年よ
この籠で今朝鶏を持つて行つたのに
それが賣れてこんどは持つて戻らないのか
「昴」

音楽に ぴったり合う詩がなかったので、コラージュにしてみました

しかし、コラージュによって、それぞれの詩の持つ意味が
かえってはっきり現れたような気がします‥‥


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コレッリ━━ジャズ・ブルースにも影響及ぼすバロックのパイオニア


アルカンジェロ・コレッリは、バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディよりもさらに30年ほど古い作曲家。。

今年はコレッリの生誕360周年だそうで‥‥ヨウツベにもコレッリの曲がいろいろ出ているので、このさいコレッリ特集
‥‥と思って夏あたりから何度も漁ってみたんですけどね。。。
なんというか‥‥ヴィヴァルディのように分かりやすくない!!‥‥バッハのように…うぅっ凄いッ て感じでもない…

正直言って、キレイで、すまし顔で、‥‥とっつきにくいんですよねえ…
いまいち現代人の感覚ではないんです‥‥

コレッリ聴いて肩が凝れっり
。。。なぁんてね(→←)

A. Corelli - Sonate da Camera Op.2 - No.12 in G Major - YouTube
Sonate da Camera a trè, Op. 2 (Rome, 1685) dedicated to Cardinal Benedetto Pamphili
Sonate No. 12 in G major, I. Ciacona, largo-allegro
Rémy Baudet, violin. (G. Grancino 1695). Sayuri Yamagata, violin. (J. Stainer 1669).
Pieter-Jan Belder, harpsichord. (Cornelis Bom 2003, after Giusti).
アルカンジェロ・コレッリ『室内ソナタ集 作品2』第12番ソナタ ト長調 から
第1楽章“チャッコーナ” ラルゴ - アレグロ
レミ・ボーデ、ヤマガタ・サユリ(ヴァイオリン)
ピーター=ヤン・ベルダー(ハプシコード)
古楽器使用〕


しかし、よぉっく聴けば‥‥たしかに、いい曲ばかりなんですよ‥駄作がない!‥‥でも、そこまで聴きこむのは、ギトンのレベルの素人さんにはなかなか骨の折れるしごとなんです‥

それと‥‥コレッリの曲は、バッハやヴィヴァルディよりも永いこと忘れられていたせいか‥‥演奏者によって曲の感じがまるで違うんですね

。。。なので、演奏を選ぶのも一苦労で‥じっさいに何度も聴いてみないことにはどーにもなりません‥

というわけで、やっと年末近くなってのコレッリ特集です!
↓↓この合奏協奏曲1番は、れいのスロヴァク・チェンバー・オーケストラの演奏が‥‥それはそれはすばらしくて‥‥夏ごろから、ぜひいちど載せたいと思っていたのですが‥
‥‥なにせ14分という長さなので(
バロックの初めての曲を14分聴かされたら‥ふつうはタイクツしますw)ずっとためらっていたんですよね。。。

どうか‥じっくり聴いてみてください!!
A.Corelli Concerto Grosso No.1 in D major, Bohdan Warchal - YouTube
Arcangelo Corelli Concerto Grosso No.1 in D major
1. Largo - Allegro
2. Largo - Allegro
3. Largo - Allegro
4. Allegro
Bohdan Warchal 1st Violin, Conductor.
コレッリ『合奏協奏曲 第1番 ニ短調
スロヴァク室内管弦楽団
ボーダン・ヴァルシャル(指揮、第1ヴァイオリン)
〔現代楽器使用〕

 Wikipedia を見ますると:

なるほど‥‥「コレッリの作品は、旋律の美しい流れと伴奏パートの丁寧な扱いが特徴的」なのだそうです‥
‥遺されている作品の数が少ないのは、コレッリが1曲1曲を非常に時間をかけて丁寧に彫琢したため(英語版)‥

コレッリの曲では「ヴァイオリンのパートが、第三ポジションの最高音であるD音より上に行くことが決してない」、コレッリは「ヘンデルのオラトリオ序曲における高音楽節を演奏することを拒み、ヘンデルに対して『技術を誇示するためにだけこんな音を弾かせるとは』と痛烈な批判を浴びせた」──
つまり、“ヴァイオリンの音はこういう音”という古い考えにこだわって、きれいな曲以外は音楽ではないっ!! と言い切る感じなんでしょうかね



A. Corelli Concerto Grosso op 6 no 4, Il Giardino d'Amore, Part 2 - YouTube
Vivace - Allegro - Allegro
Il Giardino d'Amore Baroque Orchestra:
Stefan Plewniak (violin & leading)
コレッリ『合奏協奏曲 第4番』から 第4楽章
イル・ジャルディーノ・ダモーレ
ステファン・プレヴニャク(ヴァイオリン、指揮)

そこで気になるのはバッハ(
ヨハン・セバスティアン・バッハ)との関係ですが、
やはりバッハは勉強家ですね……コレッリの曲も、ライプチヒの図書館が所蔵していた楽譜をいろいろ研究して、自分の作品に取り入れているんですね…
コレッリの主題によるフーガ」という作品も書いています↓↓

J. S. Bach - Fugue for organ in B Minor on a theme by Corelli BWV 579 - YouTube
Fuga [on a theme of Arcangelo Corelli (1653-1713)] h-moll / B minor BWV 579
Ton Koopman, Organ,
ヨハン・セバスティアン・バッハコレッリの主題によるフーガ ロ短調』BWV579
トン・コープマン(オルガン)

やはり、バッハはちょっと重苦しいですか?‥
コレッリのもとの曲はというと‥
↓↓この第2楽章(2:35 - 3:55)を聴いてみてください

A. Corelli - Sonate da Chiesa Op.3 - No.4 in B Minor - YouTube
Arcangelo Corelli (1653-1713)
Sonate Da Chiesa, Opera Terza
I. Largo
II. Vivace
III. Adagio
IV. Presto
Rémy Baudet, Sayuri Yamagata, Albert Brüggen, David Van Ooijen & Pieter-Jan Belder.
コレッリ『教会ソナタ集 作品3』第4番ソナタ
ピーター=ヤン・ベルダー(チェンバロ),ほか

↓↓ネットで見つけた解説を対訳で載せてみますと━━
J.S. Bach studied Corelli's music (making his own arrangements of it), and also had Corelli's music in the Leipzig library from which he conducted performances. J.S. Bach wrote a fugue for organ (BWV 579) on a subject of Corelli taken from the second movement of Op. 3 No. 4 of 1689. That apart, a general, diffused influence of Corelli is perceptible in his music.
A 'walking bass', as used in the B minor Prelude in Part 1 of The Well-tempered Clavier (BWV 846-861), is a Corellian cliche;
B another is the half-close (Phrygian cadence) in the relative minor introducing, for example, the final movement of the Third Brandenburg Concerto.
Bach Cantatas Website - Arcangelo Corelli
「J・S・バッハは、コレッリの音楽を研究した(自分でアレンジしながら)。ライプチヒの図書館にはコレッリの楽譜があったので、彼はそのなかの曲を自分で指揮して演奏した。
 J・S・バッハは、コレッリの『作品3第4番』(1689年)第2楽章のテーマ(主旋律)に基づいて、『コレッリの主題によるオルガンのためのフーガ(BWV579)』を書いた。
 次のような、一般に広まったコレッリの影響は、バッハの音楽にも目立って見られる:
A バッハの『平均率クラヴィア曲集』第1巻(BWV 846-861)のロ短調プレリュードなどに使われている「歩く低音部」は、コレッリの御得意技である。
B もうひとつは、短調楽章から次の楽章へ導入する半終止(フリギア終止)──たとえば、第3ブランデンブルク協奏曲の終楽章(第2楽章の楽譜にはフリギア終止形のみが書かれており、独奏楽器が即興演奏をして、最後にオーケストラがフリギア終止で次の終楽章へ繋げるようになっている)」

↑↑この「歩く低音部(walking bass)」とは、どういうものなのでしょうか?
文中にある『平均率』第1巻のロ短調プレリュード(第24曲)を聞いてみましょう↓↓
Bach - Well-Tempered Clavier, Book 1: Prelude No. 24 in B minor (Gould) - YouTube
ヨハン・セバスティアン・バッハ平均律クラヴィア曲集 第1巻』から
「第24曲 プレリュード ロ短調
グレン・グールド(ピアノ)

左手でスタッカート気味にタッタッタッタッと上がり下がりしているのが「歩く低音部」‥‥‥‥
‥‥もう分かった方もいらっしゃるでしょうか?━━ウォーキング・ベースラインと言えば、ジャズではおなじみですよね?(^^d

ピアノ・ウォーキングベース(ブギウギ)
ピアノ・ウォーキングベース(枯葉)
↑↑ピアノでは、左手がウォーキングベースラインを弾いています。

アコースティック・ベース・ウォーキング(枯葉)
Sam Jones Walking during Miles Davis solo on Autumn Leaves. From the Album "Something Else" Cannonball Adderley
サム・ジョーンズ(ベース)
マイルス・デイヴィス(トランペット・ソロ 再生音源)

ギター・ウォーキングベース(枯葉)



さて、コレッリの作品では‥
↓↓たとえば、このソナタの第1楽章は、チェロがウォーキング・ベースラインを弾いています:

A. Corelli: Sonata in D, op.3/2 / musica cubicularis - YouTube
Ljubljana, 25. 5. 2011
Božena Angelova, Žiga Faganel - baroque violin
Domen Marinčič - baroque cello
Tomaž Sevšek - harpsichord
コレッリ『トリオ・ソナタ集 作品3』から
「第2番 ソナタ ニ長調
ドメン・マリンチチ(バロック・チェロ)
ムジカ・クビラリス
2011年.
しかし、それにしてもゆっくりしたウォーキング・ベースですね。まさに、バロック時代の貴婦人が、すその長いスカートを引き摺って、しずしずと歩いている感じです。。

バッハにしろ、ヴィヴァルディにしろ、コレッリから大きな影響を受けているのですが‥‥
いやいや‥‥それにとどまるものではなく‥‥コレッリは、時代を超えてジャズにまで影響を及ぼしていることが分かりました!!o(゚O゚)/

次は「イ・ムジチ」の演奏ですが、ウォーキング・ベースラインを聴き取れるでしょうか?‥

クリックで拡大  .
Corelli Concerto Grosso Op 6 No 8 (Christmas Concerto) - Allegro (IMusci) - YouTube
コレッリ『合奏協奏曲 第8番“クリスマス・コンチェルト”』から
第2楽章 アレグロ
イ・ムジチ合奏団

ところで‥
日本語版 Wikipedia では、作品5の『ヴァイオリン・ソナタ集』について、


コレッリの作品の「中でも最も有名」だ
と言って紹介しているのですが‥英仏独語版にはそんなことはゼンゼン書いてありません‥‥こういうの、誰かマニアの人が自分の個人的見解を滑り込ませて書いてるんですよねww‥

‥でも、じっさい聴いてみると、このヴァイオリン・ソナタ集は、たしかにメロディーのはっきりした分かりやすい曲が多いのです。。

A. Corelli - Sonate per Violino Op.5 - No.3 in C Major (2/2) - YouTube
コレッリ『ヴァイオリン・ソナタ集 作品5』第3番ソナタ から

題名はヴァイオリン・ソナタ集ですが、バロック以前の音楽は、楽器にはあまりこだわらないのです。演奏者の都合で、さまざまな楽器で弾いてもよいことになっています。
↓↓次はリコーダーの演奏
CHAARTS + Maurice Steger Corelli Concerto Nr. 7 - YouTube
Basel Martinskirche 17. September 2010
Maurice Steger, Recorder
Mayumi Hirasaki 1st violin
CHAMBER ARTISTS ORCHESTRA (CHAARTS)
modern instruments, baroque bows
コレッリ『ヴァイオリン・ソナタ集 作品5』から
「第7番 ソナタ ニ短調
モーリス・シュテーガー(リコーダー)
ヒラサキ・マユミ(第1ヴァイオリン)
チャーツ(チェンバー・アーティスツ・オーケストラ), 2010年.
↓↓次は、オーボエとギター

Arcangelo Corelli - Sonata N8 Op.5 for oboe & guitar,arr.V.Zhyvalievski (A.Prikhodko&V.Zhyvalievski) - YouTube
(Prelude, Allemande, Sarabande & Gigue)
аранжировка Валерия Живалевского исполняют Александр Приходько (гобой) и Валерий Живалевский (гитара)
Минск, Беларусь
コレッリ『ヴァイオリン・ソナタ集 作品5』から
「第8番 ソナタ
アレクサンドル・プリホチュコ(オーボエ)
ヴァレリー・ジヴァレフスキー(ギター、編曲)
ベラルーシミンスク

↓↓グースリ★,アコーディオンバラライカ!!

Arcangelo Corelli - Concerto grosso Op.6 No.4 D-dur - YouTube
Jaani-Kirik, Saint-Petersburg
Quintet of Four, Alantasia Fomina (gusli), Elizaveta Panchenko (organ)
コレッリ『合奏協奏曲 作品6』第4番 ニ長調
アランタシア・フォミナ(グースリ),ほか
サンクト・ペテルスブルク
グースリは、大正琴に似たロシアの弦楽器。水平に置いて指で弦をはじいて鳴らす。弦を押えるための鍵盤がついたものもある

↓↓リコーダーのほか、さまざまなバロック楽器が登場します^^

Stefan Temmingh - A. Corelli: Sonata op. 5 no. 10 - Gavotta - YouTube
in a version for recorder and baroque ensemble.
Stefan Temmingh (recorder and direction)
コレッリ『ヴァイオリン・ソナタ集 作品5』第10番ソナタ から「ガヴォット」
シュテファン・テミング・アンサンブル
シュテファン・テミング(リコーダー、指揮)

さて、さいごに:
西洋ではコレッリの作品の中でもっとも人気があるそうなんですが‥《クリスマス協奏曲》を聞いてみることにしましょう。。

ただ、この曲‥やはり、コレルリだけあって、なかなか奥の深い曲なのですよ。かんたんに楽しめる感じではありません…クリスマスに向ける思いがとおりいっぺんのわれわれには、ちょっと歯が立たないかんじもします‥‥
‥そこで、ここでは、比較的分かりやすい第5-6楽章を聞いてみることにしたいと思います。


メリー クリスマス!!

Corelli - Concerto per la notte di Natale - Tafelmusik - YouTube
Arcangelo Corelli: Concerto grosso fatto per la notte di Natale in G minor, Op 6, No. 8, movements 5 (Allegro, cut time) and 6
(Largo. Pastorale ad libitum).
Tafelmusik Baroque Orchestra. Jeanne Lamon, musical director.
コレッリ『合奏協奏曲 第8番“クリスマス・コンチェルト”』から 第5-6楽章
ターフェルムジークバロック・オーケストラ
ジャンヌ・ラモン(音楽監督)