ギトンの秘密部屋だぞぉ

創作小説/日記/過去記事はクラシック音楽

ぼくの町

この町が ぼくの職場みたいなもの。。

最初の頃は、毎朝電車で隅田川を越えるのが憂鬱だった‥


靴がすり減ってカカトが▼になるまで歩いた…歩かせられた


「こんなにカカト減らして、いったい何やってるんだ!」
と親父に怒鳴られた‥‥


それが仕事だということは、わかってもらえなかった。


それでもだんだんに要領を覚えて‥‥歩く時間だけは減った‥


‥それでも、“覚えたくない要領”というものはある


それは意地みたいなものだ


YouTube
Porpora: sinfonia from Germanico in Germania
ポルポラ:歌劇『ゲルマーニアのゲルマニコ』より、「シンフォニア
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
ジョヴァンニ・アントニーニ(指揮)

どんなに苦労しても、誰にも感謝されないということ

それも
よくわかっていた‥



それでも、‥‥それだって意地みたいなものだ




“おまえが口なら、俺は足だ”‥‥





今ではもう、靴のかかとは減らなくなったけれど、気持ちだけは最初のころと変らない




この町を俺ほど歩いた同業者はいない──それだけは自信がある…

もちろん

通ったことのない路地は

まだまだたくさんあるけれど‥‥

Il Giardino Armonico - Vivaldi - Concerto for flautino in C major RV 443 PART3 - YouTube
ヴィヴァルディ「ソプラニーノ・リコーダー協奏曲」ハ長調 RV443.
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
ジョヴァンニ・アントニーニ(ソプラニーノ・リコーダー)