魑魅魍魎の夜は‥
沈んだ月夜の楊の木の梢に
二つの星が逆さまにかかる
‥‥‥‥‥‥‥‥
Antonio Vivaldi: Concerto for violin, strings and basso continuo in B flat major, 'La caccia' (RV 362)
I. Allegro
II. Adagio
III. Allegro
Stefano Montanari (solo violin)
Accademia Bizantina / Ottavio Dantone (conductor)
ヴィヴァルディ「ヴァイオリン協奏曲 変ロ長調」作品8の10 RV362 “狩り”
ステファノ・モンタナーリ(ヴァイオリン)
オッタヴィオ・ダントーネ(指揮)
アッカデミア・ビザンティーナ
さびしい夜に、もう思い出したくない暗い思い出、悔恨の思いが甦って来るのは避けがたいこと‥
そんな時は、自転車に乗って人通りのない坂を思いっきり駆け下るに限ります
あるいは、ブレーキの効かなくなった路面電車で
高い墓地の上から暗い埠頭へ向かってまっしぐら。。。
電線と恐ろしい玉髄[キャルセドニ]の雲のきれ
そこから見當のつかない大きな青い星がうかぶ
(何べんの戀の償ひだ)
そんな恐ろしいがまいろの雲と
わたくしの上着はひるがへり
(オルゴールをかけろかけろ)
月はいきなり二つになり
盲ひた黒い暈をつくつて光面を過ぎる雲の一群
(しづまれしづまれ五間森
木をきられてもしづまるのだ)
Vivaldi - Concerto in sol min per flauto, fagotto, archi e cembalo RV 104 - Il Giardino Armonico.avi - YouTube
La Notte:Largo - Fantasmi: (Presto - Largo - Andante) - Presto - II Sonno: (Largo) - Allegro.
Giovanni Antonini, flauto
Alberto Grazzi, fagotto
ヴィヴァルディ「リコーダー、ファゴット、弦楽器とチェンバロのための協奏曲 ト短調 “夜”」RV104.
ジョヴァンニ・アントニーニ(リコーダー)
アルベルト・グラッツィ(ファゴット)
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
秋の夜は、ふたりで過ごしたからといって魑魅魍魎が寄り付かないとは限りません‥
人によりけり‥悔いの思いはいろいろな出かたをするものです
とくに、酔いが回る人の場合は‥
荒れている相手をうまく受け止められなかったという悔いは
自然に消え去るものではない以上
それは
よりいっそうのやさしさでしか償えないのかもしれません‥
風は吹く吹く、松は一本立ち
山を下る電車の奔り
もし車の外に立つたらはねとばされる
山へ行つて木をきつたものは
どうしても歸るときは肩身がせまい
(ああもろもろの紱はスガタから來て
そしてスガタにいたるのです)
腕を組み暗い貨物電車の壁による少年よ
この籠で今朝鶏を持つて行つたのに
それが賣れてこんどは持つて戻らないのか
‥‥‥‥‥‥(宮沢賢治「昴」より)