ギトンの秘密部屋だぞぉ

創作小説/日記/過去記事はクラシック音楽

草いろの夢


私が夜の車室に立ちあがれば
みんなは大ていねむってゐる。
その右側の中ごろの席
青ざめたあけ方の孔雀のはね
やはらかな草いろの夢をくわらすのは‥


宮沢賢治「青森挽歌 三」より)

Mussorgsky - Khovanshchina - Prelude -Dawn over the Moscow River- - YouTube
ムソルグスキー、歌劇『ホヴァンシチーナ』、前奏曲“モスクワ河の夜明け”


さうしてどうだ
風が吹くと 風が吹くと
傾斜になったいちめんの釣鐘草(ブリューベル)の花に
かゞやかに かがやかに
またうつくしく露がきらめき
わたくしもどこかへ行ってしまひさうになる……


(「山の晨明に関する童話風の構想」より)

Jean Sibelius - Karelia - Intermezzo I - YouTube
Tampere Filharmonia
Dir.: Tuomas Ollila (1998)
ジャン・シベリウス交響詩『カレリア』から、「インテルメッツォⅠ」
タンペレフィルハーモニー管弦楽団
トゥオマス・オッリラ(指揮)


水と濃きなだれの風や
むら鳥のあやなすすだき   
リーベルきらめく露と
ひるがへる温石の門

海浸す日より棲みゐて
たゝかひにやぶれし神の   
雲かはたこゝろのはてか
青々と行衛しらずも


(『文語詩稿五十篇』より[下書稿(3)])

スメタナわが祖国より第3曲シャールカ(Smetana Ma Vlast Sarka) - YouTube
スメタナ交響詩『わが祖国』、第3曲“シャールカ”
Conductor: Vaclav Talich
Orchestra: Czechfilharmoniker (1954)
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団(1954年録音)
ヴァーツラフ・ターリヒ(指揮)

↑↑“シャールカ(Šárka)”は、チェコの伝説上の女性で
英・独版ウィキペディアを要約しますと、次のような伝説です:

「王位継承者であるリブシェ王女が亡くなったあと、王女の夫で農夫のプシェミスル
を支持する男軍と、プシェミスルに対して反乱を起こした女軍とが対立した。
 女軍の副官シャールカ(一説によると、女王。‘男の世界’に対する復讐を誓った)は、自分の体を木に縛りつけ、指揮官ツティーラト(一説によると、王子ツティーラト)に率いられた男軍が通りかかるのを待ち伏せ、‘反乱軍にリンチを受けた’と訴える。
 ツティーラトはシャールカの言を信じ込む(一説によると、シャールカに一目ぼれした)。シャールカは、助けてくれたお礼だと言ってツティーラトらに酒をふるまうが(一説によると、シャールカとツティーラトの婚礼の宴)、酒には眠り薬が仕込んであった。男軍がすっかり酔い潰れて眠ったのを見はからうと、シャールカは、ホルンの合図で女軍を呼び、騎士たちを皆殺しにする。」

男たちの入眠⇒女軍による殺戮 の場面がハッキリ分かる演奏を選びました。
(8:20〜)をお聴き逃しなく!!


週末は、草いろの夢を見てきますv


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