全裸な白昼夢
すっかり延びて南北の長い帯になった台風がスキャンして行きました‥“元台風”って聞くと、へんな気がするw
Autumn in Romania - Cheile Grădiştei (jud. Braşov), 8-10 octombrie 2008
Music: ERNESTO CORTAZAR ("Beethoven's Silence")
エルネスト・コルタザル『ベートーヴェンの沈黙』
映像は、ルーマニア、ブラショフ
２０代後半から、ルードヴィヒは、しだいに無音になって行く世界にいました‥‥耳が聞こえなくなって行ったからです‥
Immortal Beloved - ''Moonlight sonata'' scene - YouTube
Ludwig van Beethoven:
Piano Sonata No.14 (Quasi una fantasia) in C-sharp minor, Op.27, No.2 'Moonlight', mvt.I: Adagio sostenuto,
Soundtrack from the movie "Immortal Beloved"(1994)
Murray Perahia (Piano)
actor: Gary Oldman.
映画『不滅の恋人(Immortal Beloved)』(1994年,英米合作)より
ベートーヴェン、ピアノソナタ、14（作品27の2）「月光」、マレイ・ペライア(ピアノ)。
監督・脚本：バーナード・ローズ
映画配役：
ゲリー・オルドマン：ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン
ヴァレリア・ゴリーノ：ジュリエッタ・グィッチャルディ
ルイジ・ディヴェルティ：ジュリエッタの父
ベートーヴェンの生涯を扱った映画は多いですが、この『不滅の恋人』は
ベートーヴェンの死後に残された
「“不滅の恋人”に全財産を贈る」
という自筆のラブレターをめぐって、全遺産を取得すべき“不滅の恋人”とは誰なのかを突き止めてゆくというミステリー映画
このラブレターは史実でして、その宛先になる女性が誰なのかについては、死後200年近く経った現在も、研究者のあいだで論争が続いているそうです…
なにしろ、ウィーンの宮廷楽師長になったほどですから、ベートーヴェンの華やかな暮らしぶりはほとんど貴族でして、“不滅の恋人”の候補になる女性などは、10本の指に収まらないほどたくさんいたのです‥（過酷な運命と闘う克己の人──みたいなベートーヴェンは、例によって伝記作者が創り上げた虚像らしいですｗｗ）
↑上のシーンに出ているジュリエッタ令嬢も、そのひとりですが
高価なピアノを買って邸宅に据付け
「部屋には絶対に誰も入って来ないようにしますから、どうぞ、思う存分お弾き遊ばせ！」
などと言って、ベートーヴェンを呼び寄せます‥
そう言いながら、壁にあけた穴から、中のベートーヴェンを覗いているわけですw
なんか‥“逆・鶴の恩返し”みたいな話ですが｡｡
覗いていると‥
驚いたことに、ベートーヴェンは、まずピアノの蓋を半分閉めてから、鍵盤を乱暴にガチャン、ガチャンと叩いているんですね｡｡
じつはもう耳が聞こえなくなっていて、そうでもしなければ、自分の弾いているピアノの音も聞こえないわけです‥
そして、ピアノの蓋に耳を圧しつけて、アドリブで弾き始めたのが、「月光」ソナタの第１楽章というわけです…
このシーンは、シャドウ・ピアニストのペライアではなくて、ベートーヴェン役のゲリー・オルドマンが自分で「月光」を弾いているそうです。
↓それでは、ペライアのサントラで、第１楽章全体を…
Immortal Beloved (1994): Piano Sonata No. 14 in C-sharp minor (Moonlight) by Ludwig van Beethoven - YouTube
ルードヴィヒの父は酒乱で、とくにルードヴィヒの母が亡くなったあとアルコール依存症で失業し
１６歳でウィーンに出てモーツァルトに才能を認められたルードヴィヒは、故郷のボンに呼び戻され、アルバイトを掛け持ちして父と弟たちを養わなければならなくなりました。まさに音楽家として飛躍しようというだいじな時に、音楽どころでない５年間を過ごしたのです‥
父が深夜、家に帰ってくると、ルードヴィヒは家を飛び出して森の中を駆け回り、沼の水に身を横たえ星を眺めて夜を過ごしたといいます‥
Moonlight Sonata on guitar for Halloween ( Available on iTunes ) - YouTubeby LaiYouttitham
ムーンライト・ソナタ（第１楽章）
（エレキギター）
ハロウィン・ヴァージョン
☆彡 ☆ミ
ところで
裸になって沼の水に浸かっている少年ベートーヴェンを見ていて思い出したことがあるんですが‥
小学生のころ、ぼくはバスに乗って４０分くらいかかる遠くの学校に通学していました。高学年になると下校はひとりのことが多くて、座席にすわれると寝てしまう毎日でした。
ある初秋の午後、下校のバスの中でふと目を覚ますと
窓の外の道路沿いに池があって、自分と同じくらいのとしの男の子が、すっぱだかで、中腰になって池に入ってゆくところでした。池のまわりには、草か植え込みがあって、男の子はそれを跨ぐようにして、前かがみの姿勢で水に入ろうとしていたのです。
バスが走っているのは、東京の区部の街中ですから、そんなのは、とてもありえない光景なのですが
見えたのは一瞬のことで
ぼくは驚いて、立ち上がってよく見ようとしましたが、
バスの中に立っている大人がじゃまになって、池の光景は見えなくなってしまいました。
ぼくは、とても信じられない気持ちだったので
裸の男の子がいた場所は、どこだったのか、帰りのバスの中から毎日車外の景色を見て探しました。
そして、しばらくしてから、男の子を見た池を見つけました。それは、大きな郵便局の前にある噴水のある浅い池だったのです。
四角い形の池で、低い鉄の柵と潅木の植え込みで囲ってありました。
そんな場所で、１０歳くらいの子が、すっぱだかになって水浴びをするなんて、‥夢を見たのでしょうか？
しかし、男の子を見た記憶は非常に鮮明で、夢とは思えませんでした。
あまりにも変なことなので、当時は誰にも話しませんでした。
でも、決して忘れることはなく
その郵便局の近くへ来たときには、その時の裸の子がまたいないか、いつも見るのですが
もちろん二度と同じ光景を見ることはなかったのです。
塾で知り合った山の手の学校の男子と、いつもくっついて肩を組んで歩くようになったのも、そのころでした。その子といると、ぼくはまるで幼稚園児に戻ったように、きかん気になったり泣いたりして、その子を困らせるのでした。その子のほうも、ぼくに他の友達と話すのを禁止したり、ぼくとの間で秘密を作って楽しんでいる様子でした。
しかし、そういう“初恋の一歩手前”みたいなことと、裸の子を見た経験との間に何か関係があるとは思わなかったのです。
ずっと後で、ハタチ過ぎてから
たまたま付き合った相手(オトコ)に、一度だけ、裸の少年を見た経験を話したことがあります‥
が、その相手には
「へえ｡｡だから男が好きになったって言いたいのか？」
と馬鹿にしたように言われたので、そのあとはもう、誰にも話しませんでした。
小学５年の体験以来、自分の見た裸の子と同じことをしたいという願望は、だんだん強くなりました。また、着ているものを全部脱ぐのは、自分の環境に対するごく自然な反応だと思うようになりました。つまり、感情と考えが一致するようになりました。もちろん、そんな考えを持っていることは人には言いません。
その場合、身体だけになることが重要で、パンツでも、靴でも、メガネでも、何かひとつでも身に着けていたら意味がないのです。
また、あまり人に見せようとは思わないのです。
だから脱ぐのは、人のいない場所とか、深夜とか、
あるいは、そういうことをわかってくれる人がそばにいる室内だけでした｡｡
きょうはよけいなお喋りをしてしまったので、ムーンライトの第１楽章まででしたねw
十五夜（今年は９月１９日です）が近づいたら、もういちどムーンライト・ソナタを取り上げて、第２・３楽章を聴いてみたいと思います
今夜も、〆は賑やかにヘビメタで!!月の出る夜は血が騒ぐｗ
Heavy Metal Moonlight Sonata - YouTubeHeavy Metal Moonlight Sonata
by Jessica Shepherd
ムーンライト・ソナタ（第１楽章）
（エレキギター）
